フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「F12でクローズドコースを走る その3」

F12をクローズドコースで走らせた、のつづきのつづき。

はからずも自分の身体の衰えを感じてしまった。

かつて毎日のように高速道路を100km、200km移動し、制限速度プラス15km/hをキープしながら走り続けていた頃は速度慣れしていたと思う。

営業活動がスムーズにいくように移動時間はなるべく短縮したい。スピードを出すに越した事はないが、速度違反で摘発されては元も子もない。そこで制限速度プラス15km/hをキープする。速度を上下させるとアベレージが下がるしガソリンの無駄になる。追い越しはこのプラス15km/hを維持する為に行う。好ましいことではないが休息はしない。

これで一時間当たり115km(とか95km)移動することを目標にする。実際にはメーター誤差があるのでメーター時速イコール距離にはならないけれども。一時期プラス15km/hをプラス20km/hにしたこともあった。

いずれにしてもこうした運転を毎日おこなっていると身体が速度に慣れる。残念だけれども F12に乗るには今の自分の身体(特に視力)と速度感覚は劣っているのを実感した。

 

今回、ゼロスタートするような場面は作れなかったが、なるべく強い発進加速を体験できるように運転した。事故を起こしては元も子もないのでマネッティーノはスポーツモードのままにした。

そうだあらためてこの1時間にも満たない時間のF12の設定を書き留めておこう。

前日の夜にタイヤの空気圧は前タイヤ2.5bar、後タイヤ2.3barを目標に入れ直した(ぴったりにはならなかった)。F12のミシュランパイロットスポーツの規定空気圧は前2.4bar、後2.2barだから気持ち多くした。タイヤ溝は前7分、後ろ6分くらいか(適当な感想)。気温は19~20℃くらいだったと思う。

完全停止からの加速を試す場面は作れなかったけれども、極低速(15km/hか20km/hくらい)から目一杯加速する機会は数回あった。

 

F12は猛然と加速する。凄まじい力で路面を蹴り加速する。

率直な感想、これまで運転経験の中でどれよりも強力な加速だったと思う。ただそれを即座に実感したかというとそうではない。強力な加速ではあるが、騒々しいとか振動があるとか変速ショックがあるとかという感じがまったくない。

強烈だけれども滑らかに動き、荒々しさがない。これは一般道よりも路面に凹凸やわだちがほとんどなかった事も影響しているのかも知れない。

もちろん音は盛大にする。例のバーンという強烈な音量がしている(以前も書いた通り、「クォーン」という快音には程遠い濁点混じりの爆音だ)。

オートマチックモードでのDCTは滑らかに変速している。正直言ってマニュアルモードでは加速の鋭さと回転の上がりのすばやさにパドル操作がついていけずに滑らかな全開加速にならなかった(慣れれば上手くなるかも…。実に情けないドライバーだ)。

このオートマチックモードを以前、街乗りには最適と書いたけれども、こうした急加速する場面でも実に良い。変速ショックはまったくと言っていいほど感じない。

加速計測のような走り方はできないので、そのままカーブに入ったり、裏道に回り込んだりするが、こうした時アクセルを踏む力を弱めてもむやみにシフトアップしたりしない。エンジン回転の下がりと同じくF12が減速する。

ギアチェンジが無くアクセルの上下だけでエンジンと速度が上下する一致感と加減速の体感が気持ちいい。

「エンジンの回転が上下するってイイ感触だなぁ」、

と思わず言ってしまう。

この絶妙な制御ってなんだ。あたかもアクセルペダルの裏にドライバーの意思を読み取る観察者が潜んでいるようだ。

う~む、イイなぁF12。