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フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「日本の自動車機器メーカーは世界に通用しているか」

F12のカタログの最後のページに、

「フェラーリはF12ベルリネッタの重要な技術革新に関して以下のパートナー企業に感謝の意を表します」として、

ADLERアドラー(樹脂成形)

BREMBOブレンボ(制動システム)

BRIDGESTONEブリヂストン 

BWI(走行系制御)

DELPHIデルファイ(電装系)

FONTANA PIETRO S.P.Aフォンタナ(プレス技術)

GETRAGゲトラグ(ギアボックス)

HARMAN BECKERハーマンベッカー(オーディオ・通信機器)

MAGNETI MARELLIマニエッティ・マレリー(電装系)

MICHELINミシュラン

OMR(鋳造)

PIRELLIピレリ

ROBERT BOSCH GMBTロバートボッシュ(電装系)

SHELLシェル

TRW(走行系制御)

VALEOヴァレオ(電装系)

カタログには各社がF12のどの部分の技術革新にたずさわったのかまでは書かれていない。聞き覚えのない会社がいくつかあった。

日本の企業はブリヂストンだけ記載されている。それ以外に日本企業はない。

ただ記載の有無は各社がフェラーリと結んだ契約内容によるのかも知れない。もしかしたら名を出さずに協力している会社もあるのではないか。

でも、ブリヂストン一社というのはちょっとさびしい。

 

このカタログを見ていて日本の自動車機器メーカー(ランプ、電装品、空調、計器、トランスミッション、ホイールなど)が欧州の自動車メーカーにそれほど入り込めていないという実情を思い出した。

日本では子供でも知っている自動車機器メーカーが欧州の自動車メーカーではまったく相手にされていない、いや二流品あつかいされている例すらあるのだ。

彼らは日本の自動車メーカーにはめっぽう強く、日本の自動車メーカーの海外工場にも納入している。しかし、欧州の自動車メーカーには納入できていない。

ある欧州営業拠点の担当者は、

「(欧州自動車メーカーの)見積もりに参加すらできない。当面の目標は見積もり情報をもらうことですね」という。

かつて日本の自動車メーカーは機器メーカーを系列に加えている例が多かった。いまでもその背骨はかなり残っている。しかし自動車メーカーは系列の枠を超えた取引を推奨している。自分だけで系列の機器メーカーを食べさせる自信がない、系列の枠外で稼いでもらい安定経営してもらった方が自社のサプライチェーンとして安心できるということらしい。

だから機器メーカーも欧米自動車メーカーとの取引拡大を目指している。しかし、まだ上のような状況のメーカーが多い。理由はいろいろあるだろう。上記の担当者が言っていたのは、

「言葉の壁が大きいです。そんなことは何十年も前から言われていますが。実は今でもそうです」

欧州自動車メーカーの技術者や購買と丁々発止喋れる人材がいないように思える。とくに技術者が少ないように思える。

「こっちの機器メーカーは自動車メーカーの中に技術者が入り込んで日常的に議論してますからね。わたしたちはまだ入り込めていない」

もっとも日本の自動車メーカーでは、欧州の機器メーカーが同じような苦戦をしているのかもしれない。