フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「自動車雑誌読んでますか」

自動車雑誌を買わなくなって久しい。中学生や高校生の頃は小遣いで買った一冊の自動車月刊誌を隅から隅まで食い入るように読んだ。

何度も何度も読んで広告や個人売買欄まで読んだ。高校に入る頃カーグラフィック誌を買うようになった毎月1日の発売日を心待ちにした。カーグラフィックは外国車を取り上げる事が多く、インプレッションの内容もひと味違っていた。小林彰太郎や熊倉重春の文章はとても個性があってよかった。それと外国からの翻訳文や寄稿文も興味深かった。そしてカーグラフィックの最大の魅力は写真の良さだった。F1の写真は金子博(だったと思う)で最高のクオリティだった。

しかし雑誌は読み続けているとマンネリ化する。雑誌がというより読者が成長し、変わらない雑誌のキャラクターが物足らなくなるのである。カーグラフィック誌は10年くらい買い続けただろうか。引っ越ししたときカーグラフィック誌を入れた箱が運ぶ箱の三分の一になった。

途中NAVIという姉妹誌も発売されたカーグラフィックはいわゆる自動車そのもののハードを扱う雑誌だったが、NAVIは自動車カルチャーを扱う雑誌だった。

当時、知り合ったマフラーメーカーの会社の社長が、

「あんな雑誌は傍流だよ。自動車の本流はメカニズムだから。あの雑誌は売れないね」と言っていた。

当初、NAVIは苦戦したようだが徐々に類似の雑誌も出て自動車雑誌のオピニオン的存在になった。NAVIは休刊になったままだが意義深い自動車雑誌だったと思う。

カーグラフィックと同時にル・ボランもたまに購読していた。小遣いがあまりなかったのでル・ボランルはたまにしか買えなかった。ル・ボランはそれほど強い印象は残っていないが、三本和彦氏の新車インプレッションを連載していた。一般的な自動車雑誌の走行感インプレッションではなく、ブレーキテストや定常旋回、スラローム、サスペンションの可動領域などを連続写真や光軌跡撮影などで検証していた。三本和彦氏はカメラマンでもあるのでこうした紙面づくりになっていたのだと思う。当時はまだ後輪は独立懸架サスペンションは少なく、リジットアクスル式が多かった。タイヤがバンプするとキャンバー変化が大きくついた写真になった。

自動車雑誌はこれ以外にモーターファン、モーターマガジン、カーアンドドライバー、ベストカーガイド、自動車工学、カートップ、月刊自家用車、ホリデーオートなどが並んでいたと思う。書店の棚のなかでもそれなりに大きな面積をもっていたと思う。

昨今の自動車雑誌はまったく読まなくなった。クルマを買うとき自動車雑誌から情報を得ようと思わなくなってしまった。(自動車雑誌の編集者の皆さんすみません)

今回、ほとんど記憶のままに書いてしまいました。なにせ30年前35年前の雑誌の記憶。ネットで検索しても出てくるわけじゃなし、確認出来ないのです。誤記があるかも知れません。ご注意を。