フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「クルマを扱ったテレビ番組」新車情報 カーグラフィックTV

日本ではクルマをテーマにしたテレビ番組はあまりないように思う。大昔のことだが「新車情報」、「カーグラフィックTV」は見たことがある。

最近、自動車メーカーが旅番組のスポンサーをして自社のワンボックスカーやSUVをタレントに運転させているのを見ると時代は変わったなぁとを感じる。

やっぱり今はファミリーユースのクルマがセールスの中心であり、メーカーイメージを左右するのだ。

かつては、メーカーイメージはスポーツカーや高価格車だったと思う。消費者にスポーツカーや高級車を見せてあこがれを感じさせ商売につなげようとしていた。

カローラの次はコロナ、コロナの次はマークⅡ、マークⅡの次はクラウンに乗りたいというあこがれがあった。実際にサニーやカローラが家にあった子供が成長して働き始めるとブルーバードやコロナを買っていたと思う。もっともそんなのは30年も40年もむかしの話しかもしれない…。

 

話題を戻してクルマを扱ったテレビ番組のはなし。

印象に残っているのはテレビ神奈川で制作されていた三本和彦の「新車情報」。毎回一台のクルマを取り上げて(たいてい発売されて間もないクルマだった)車体構成の説明から試乗映像とその感想、スタジオに開発担当者を招いた質疑応答の3部で構成されていた。

三本和彦氏はいわゆる走り屋的自動車ジャーナリストではなかった。

「レースよりラリーが好き。サーキットはエゴイストのレーサーと金儲けのスポンサー連中がうごめいている。荒野の中、クルマを修理しながらを走るラリーの方がよっぽどモータースポーツだと思う」、と発言をしていた。

新車情報はバイヤーズガイドに徹したものだったと思う。三本氏は実用車を好みラクシュリー的なクルマには手厳しい批評をしていたと思う。

うろ覚えだけれど三菱のラムダ(三菱ギャラン ラムダ)を、

「これはスタイル重視のクルマで実用性はたいしたことはありません」

とはっきり言い切っていたように思う。(あくまで記憶です)

スタジオに呼んだ開発責任者や企画担当者に対して、

「なんでこんなクルマ作っちゃったんすか?」、

と答えようもないような質問することもたびたびだったと記憶する。

三本氏とテレビ局に自動車メーカーから抗議やクレームが何度かあったそうだ。

自動車部品メーカーが番組スポンサーについていてコマーシャルが興味深かった。ニッパツやサンデンといった部品メーカーがCMを流していたと思う。子供のわたしにはこれが目新しかった。「自動車メーカーが作ってるんじゃないんだ!」。放送局がUHFということもあり、なにかマニアックなプロしか知らない情報をのぞき見したような気分になったものだ。

Googleで検索すると新車情報はいろいろな映像がアップされている。

 

カーグラフィックTVは放送開始第一回を期待して見たが、クルマのことをこれっぽっちも知らない安っぽいお姉ちゃんタレントにカーグラフィック編集者がクルマ解説をしていた。途中、小林彰太郎編集長までこのお姉ちゃんタレントの相手をさせられていた。

自動車誌では高級誌にあたるカーグラフィックもテレビの世界に出てくるとこんな扱いになってしまうのかとさびしく、そして裏切られたような気分になったものだ。

何年かして久しぶりに番組を見たら内容が一変していた。しかし今度は妙に格好をつけたキザな感じが鼻についた。

ナレーションが星飛雄馬(古谷徹)の声だったが正直、違和感があった。わたしの世代では星飛雄馬の声でオシャレな感じがするナレーションはこそばゆい感じがする。別のナレーターだったらまだ素直に聞けたかもしれない。