「中国くるま事情2 中国製アウディとレクサス」
中国は高速道路が発達している。新しい高速道路がどんどん出来てつながっている。
1年行かないと新しい高速道路が出来ている。何十年もかけて土地買収して道路をつくる日本とは違うのだ。
中国では当局が立ち退けといえば国民は従うしかない(従わない国民もいるがあまりゴネて当局を怒らせると命の危険がある)。
ちなみのこの高速道路、路面清掃車が掃除をする。でも前もっての警告サインなどはない。
いきなり時速40キロくらいで清掃車が追い越し車線を掃除している。
中国の高速は空いていれば時速100キロ前後で流れている。なんの前触れもなく清掃車があらわれれば速度差は60キロだ。
懇意にしていた白タクドライバーはあわてて急ブレーキをかけた。
中国ではアウディをよく見かける。A4、A6は中国国内で生産されている。中国では地味な黒いA6をよく見かける。
でも中国人はアウディよりレクサスの方がいいと言う。A4やA6が中国製なのを知っているのだ。
「レクサスは日本製だからね」
たしかに中国の高所得車は中国製のアウディよりレクサスを好む。メルセデスもCクラス、Eクラスは中国製なので輸入されたSクラスを好む。
たしかにアウディのA6(A6L)に乗ったがオプションの違いなのかまったくよいと思わなかった。
「アウディの内装の成形シボってこんなだったっけ?」と日本人同士でダッシュボードをなでてみる。
助手席に乗っておどろいたのがガラスの刻印の位置だ。ふつう視界の妨げにならないようガラスの隅に刻印されている。しかしこのアウディ、びっくりするくらい目の前にある。フロントピラーから15センチはなれてわたしの視界に入ってくる。
「なんで?」
中国製を実感する。理由はわからないが中国製自動車のガラスの刻印位置はみなデタラメである。サイドウィンドウの刻印などまったくデタラメ。先に上げたワンボックスカーなどガラスの真ん中に刻印されている。しかもその刻印が斜めだ。
ちなみにガラスの成形技術がつたないのか、生産管理がデタラメなのか、中国の自動車ガラスはゆがみがはげしい。サイドウィンドウ、特にワンボックスカーなどのサイドウィンドウはうねうねと歪んで気持ちが悪い。
ガラスに対して直角に見ているとそれほどでもないが、斜めから外を見ると物がはげしく歪む。見ていて酔っぱらったような感覚をおぼえる。
10年前、中国を走っているクルマのほとんどが中国国産車とフォルクスワーゲンなど廉価車のライセンス生産車が多かった。それが7、8年くらい前から目に見えて輸入車が増えてきた。
中国の富裕層が多くなり高価格の輸入車を買うようになったのだ。
渋滞の中ぽつりぽつりとSクラスやBMWの7シリーズが走り出した。
2、3年したらSクラスや7シリーズは普通にみるしアウディ、ポルシェ(ほとんどがカイエン)、ランドローバー、ベントレー、フェラーリやランボルギーニも走り出した。
日本で乗用車が普及しはじめてから高給輸入車が珍しくなくなるまでに30年はかかっている。中国はその半分以下の時間でそれをやったのだ。