「F12は評価が高いフェラーリか?」
フェラーリはたいてい評価が高い。最初は。
でも、時がたってからぼろくそに言われることがある。生産中止されてから、「いや、じつはひどいクルマだった」と言われることが多い。
まぁジャーナリストも乗せてくれる自動車メーカーを敵に回せないのか、発売されてしばらくは、ほとんど批判しない。価格comの自動車レビューで「なんで自動車評論家はだれも指摘しないのか?」なんて言われていたりする。
ではF12はどうなのか? あとからボロクソに言われてしまうフェラーリなのだろうか。
やはり自分が注文したクルマの評価は気になる。もぉ買っちゃったのだから、いまさら気にしてもどうしょうもないのだが、やっぱり気になる。
トップギアのジェレミー・クラークソンはF12のインプレッションで、
「街中ではオートマチックモードでエアコンをつけてラジオをかけて走る。凸凹道はサスペンションをバンピーモードにする。車体もけして大きすぎない。市街地でも段差を気にせず走れる。とてもイージーなクルマだ」
「しかし、市街地を抜けて郊外の道になれば、F1マシン並みのとんでもないパワーが炸裂する。599と違いダブルクラッチギアボックスの変速はすばやい。フル加速してそのままシフトアップ出来る。驚異的なスムーズさだ」
「空気力学もすばらしい。エアロブリッジは時速200キロで120キロの重さでダウンフォースを与える」
「トラクションコントロールも優秀。フェラーリの技術者は有り余るパワーを無駄にする事なく走りに転化した」
「かつてのテスタロッサや612は巨大で扱いにくかったが、F12は軽くて機敏ですばらしい。
しかし、気が抜けないほどシャープだ。ギリギリのところでコントロールする感じがある。
ステアリングはクイックでほんの少しの動きが車体を左右にブレさせる。アクセルを踏めばどんどん加速するので怖くなる。そのステアリング上にすべてのスイッチ類がある。走行中は揺れて扱いにくい。くしゃみでもしたらハンドル操作を誤って道路から外れてしまう」
「スティグ(トップギアの登場する覆面レーサー)は、
『F12だけがレクサスLFAに対向できると言った』、
そして『今までで唯一、欲しいと思うフェラーリだ』、とも言っている」
「でも率直に言って、わたしはもう少しステアリングは緩やかでパワーも控えめな方がいい」
とインプレッションを結んでいる。
ハイパワー車が大好きなジェレミー・クラークソンをして、
「パワーが控えめな方がいい」と言わせるクルマがF12だ。
う〜む。この評価…。どぉなんだろ。
わたしはけして走り屋ではない。どちらかと言えば、低い重心でやわらかく踏ん張るクルマが好きだ。はなから700馬力に魅力を感じているわけではない。そうした意味でジェレミー・クラークソンの評価はわたしがF12に求めるものと違う分野を語っていると思う。
わたしは700馬力のパワーよりその手前で発せられる感触に興味がある。
納車されてからのお楽しみだが…。ちょっと心配である。