「交通違反摘発」
日本の道路は照明が行き届いている。
わたしが子供のころはまだ街路灯が表通りにしかなかった。裏の通りは自治会などが役所に陳情して設置してもらっていた。
街中をヘッドライトを点灯させずに走っているクルマを見かける。街路灯が明るくてある程度交通量があれば自分のクルマがヘッドライトを点灯させなくても道路が見えるのだ。実際、自分も忘れた事がある。街路灯が少なくなったり、前走車がいなくなったりしてはじめて自分が無灯火で走っていることに気づく。
こうした照明が整備された道路を走るとアダプティブハイビームが切り替わることはほとんどない。
大型トラックやダンプカーが鏡面ステンレスの泥よけやバンパーを付けていることががある。夜はヘッドライトが反射する。かなりまぶしい。特に泥よけは停止後もフラフラとゆれて反射する。うしろのクルマには迷惑だ。
大型車やダンプカーの中にはナンバープレートをバンパー奥に移設して見えにくくしたり、汚れままにして読めないようにしている車両がある。 ナンバープレートを見えにくくするドライバーは違反を犯しても摘発のがれをしようとする“犯意”を秘めたドライバーといえるのではないか。
警察は待ち伏せ摘発ばかりしていないで、こうした車両を見つけて取り締まったらどおか。 違反しやすいポイントで待ち伏せ摘発をして反感を買うより意味があるとおもうのだが。
わたしも何度か交通違反できっぷを切られたことがある。でも摘発された時、自分の運転が危険であったと反省したことはない。
交通違反摘発の根本主旨である安全運転を怠ったと思ったことがない。
わたしの違反のほとんどが待ち伏せ摘発による違反切符だ。
待ち伏せしていた警官がそれっとばかりにクルマの前に立ちふさがる。
「あそこに標識あるの見えませんか?」
たしかに言われてみれば標識はある。しかし路駐している車両が連なって標識は見にくい。
「路駐しているクルマを摘発しろ」、
と怒鳴りたい気持ちを抑えてサインをした。
別れ際に警官が言う、
「ここはみんな違反するんですよね」
違反が起きやすい場所で待ち伏せしているのを認めているのである。
今日もそこかしこで待ち伏せ摘発が行われている。
警察に言わせれば、
「あの場所で取り締まりするのは過去事故が発生しているからです。取り締まることで事故を抑制しています」、
というだろう。どこまでホントかと思う。
わたしの自宅から歩いて一分のところにT字路がありそこで待ち伏せ摘発をしている。
このT字路、一時停止が普通じゃないのだ。
一般的にT字路の場合、Tのタテ棒側が一時停止もする。ヨコ棒側は徐行だ。 しかしのこT字路、ヨコ棒側が一時停止なのだ。
たまにヨコ棒側が一時停止というT字路はある。たいてい道路の幅が違うとか、歩道の構造や歩行者の量などの兼ね合いでそうなるのだろう。
しかしこのT字路、タテ棒側、ヨコ棒側の道路幅にちがいはなく、車両や歩行者の量も差がない。そもそもクルマも人もあまり通らない住宅街の路地なのだ。
だから普通にクルマを運転していれば一時停止ではなく徐行する。 で、待ち伏せしていた警官が現れ違反切符を切るのだ。
近所の人はこのT字路のことを知っているので標識通りに一時停止を行う。 しかし住民もこのT字路の一時停止規則の理由はわからない。
「ずいぶん前からこうなったんだよ」
事故が起きたと聞いたことはない。まぁ何年に一度くらいは接触事故があるかもしれないが死亡事故など起きていない。
不自然な一時停止規制を行い、常識的に運転しているドライバーの不意を突いて違反を犯すのを待ち構えているのではないかと勘ぐっている。