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フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「営業車を運転していて」

ここのところF12のことばかり書いてきたので今回は昔ばなしを…。

むかし営業の仕事をしていて毎日、営業車に乗って商談や受注打ち合わせ、納品作業をしていた。

何年かに一度、得意先が変更され走行エリアが変わるのだが走る距離はだいたい同じ、毎日数百km、一年で3万5000kmから4万5000km運転する。

こうした仕事を12、3年つづけた。

のべにしたら50万km仕事で走った。(タクシーや輸送の仕事をしている人は数年で走ってしまう距離だと思います)

月曜から金曜の午前中から夜8時くらいまで走る。

遠方の得意先に行った時は夜中になったし、早出するときは夜明け前から走り始めた。

1.0〜1.8リッターの営業車の中で一日の大半を過ごす。春も夏も秋も冬も、四季は営業車のフロントウィンド越しに移り変わる。雨もみぞれも雪も花粉もサクラも砂埃もフロントウィンドからワイパーでかき分けられ隅に寄せられていつしか無くなっていく。

 

いろんな営業車に乗った。

カローラ、スターレット、ブルーバード、シビック、ターセル(コルサだったか?)、プリメーラ、ヴィッツ、フィット。

いろいろな営業車をあてがわれた。数日とか一週間程度の短期間あてがわれた車ならこの倍以上だと思う。

どんな営業車にするかは会社側が決める。

わたしの勤めた会社で従業員の意見を聞いて営業車を導入した会社はなかった。

2リッター以下のクルマがほとんど前輪駆動になった(2リッター以下でFRのクルマはマークⅡやローレルくらいしかなかった)。

ある雪の日、年長の営業マンがカローラの後輪にチェーンを巻いて出掛けようとしていた。

「◯◯さん、そのカローラは前輪駆動なんだから後輪にチェーン巻いても駄目だよ」

年配のこの人はカローラはまだ後輪駆動だと思っていたのだ。

「前輪駆動なんだこのカローラは…。でも“ウィ〜ン”って言わないねぇ」、

そう、昔の前輪駆動車はみんな独特の“ウィ〜ン”と鳴くような音がした。チェリーやパルサー、シビック。みんな“ウィ〜ン”という鳴き声のような音がしたのだ。

 

営業車の装備は簡素。部長や役員クラスが乗る社有車なら別だが、一般の営業マンにあてがわれる営業車はその車種の中で排気量は小さく装備は簡略化されたスタンダードグレードだ。

内装はなにもない、化粧パネルもない、シートもグレー。場合によってはビニールシートだったりする。ホイールもスチールホイールでホイールキャップが無いことも多かった。バンパー、サイドミラーも塗装なしのブラックつや消しで車体色に塗られていない。車体色もソリッドのホワイトやシルバーメタリック。

でも、営業車の装備もすこしずつ充実してきた。 わたしが営業車で仕事をし始めた頃はすでに多くのクルマにエアコンが装備され始めていた。

エアコン、ハロゲンランプ、シンセサイザーチューナー(ラジオのことです)、パワーウィンドウ、パワーステアリング、リモコンミラー、間欠ワイパー、ワンタッチドアロック、ABS、自動車電話、リモコンキー、エアバッグ、埋め込みアンテナ、ETC、カーナビ、CD、TV、ハンズフリー。 (クルマの装備ではないが自動車電話の前にテレホンカードがあり、ポケベルがあった。そして自動車電話の後に携帯電話がきて、ハンズフリーが来る。そういえばETCの前にはハイウェイカードなるものもあった)

遠からず、衝突回避ブレーキや車線保持、追従クルーズコントロールも営業車に装備されるようになるだろう。

営業車は一般のドライバーよりよほど長距離、長時間走る。わたしの家族は典型的なサンデードライバーで年間3000kmも走らない。営業車の方が事故に出くわす機会が多い。豪華な装備は不要だが安全装置は営業車こそ求められている。