「箱根ドライブ 2」
平日で対向車もほとんどこない芦ノ湖スカイラインでゴリゴリとタイヤを摩滅させつつ走っている。
しかしこういう走り方をするとタイヤはずいぶん変わったなと思う。
わたしのクルマ経験の多くを占めるタイヤの扁平率は70%、65%ばかり。すぐにだらしなくサイドウォールをこすりつけるような弱々しいタイヤばかりだった。それでも慣れてくればタイヤにかかる荷重を加速と制動とステアリングで縦Gへ横Gヘと調整しながらタイヤの変形の頃合いを感じつつ可能な限りのグリップを引き出して走っていた。グラリ、グラリと上屋がかしぐやわなサスペンションのクルマで。
…そう、あのころは頭の中でポール・フレールの「ハイスピードドライビング」のタイヤ摩擦円の図解を思い起こしつつ運転したものだ。(いや記憶があいまいだ。おそらく「ハイスピードドライビング」にそうした記述と図解があった筈…。あの本は何度か引っ越ししているうちに処分してしまった。わたしが読んだのは表紙の写真が白黒のやつ。現在Amazonで売られているのは新版の方)。
同書、曰く、「タイヤのグリップ力の総和は一定で、横方向のグリップに多く使われれば縦方向のグリップはその分少なくなる。例えば、最大限の制動力(縦方向のグリップ)を得たければ、横方向のグリップを消費しないようステアリングを切り増さないようにする」、
そんなような記述だったように思う(やっぱり記憶があいまいだ。他の本だったかな…)。
もっともこれは静的な状態でのはなし。実際に走行中のタイヤは荷重移動を受けるから事情は異なる。(このあたりはくわしく解説されたサイトがいろいろあるので検索してみてください)
でも、いま芦ノ湖スカイラインを走っているこのクルマのタイヤは扁平率30%と35%。 いくらでもこじっても大丈夫。急制動中のステアリング操作もコーナー途中の増し切りもゴリゴリというノイズを発しながら苦もなく受け入れる。
超扁平タイヤ万歳だ。こういうタイヤだと運転が上手くなった気になる。
でも今の走り方だと3000kmももたないだろうな。
このクルマ、タイヤの銘柄によって多少差はあるが1万2〜3000kmくらいで交換する。タイヤ4本で22〜24万円する。わたしはあまり激しく走らないからタイヤはもつ方だと思う。
芦ノ湖スカイラインの三国峠から富士山をのぞむ。あいにくモヤがかかっていて富士山はかすかに見えるだけだった。
芦ノ湖のまわりを一周し、食事してから椿ラインで海に出る。
なぜ椿ラインかというと無料だから。むかしはお金がなくてそうそう有料道路を好きに走れなかったから。箱根ターンパイクは高いが走る価値のあるコース。ではターンパイクで登った後はどうする。伊豆スカイラインはいい道路だけどこれまた有料。それに伊豆スカイラインを走ってしまったら帰りはどうする。
一般道で帰ってくるのは大変だ。ということでガソリンと通行料金に余裕がないわたしは椿ラインでつづら折れを湯河原に下っていく。まぁ海を眺めながら帰るのは悪い気分ではないのだ。
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