フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「カーオーディオ、むかしばなし その2」

バブル景気がはじけて景気が冷え込んでいくなか、学歴もコネもないわたし(学歴がないのは勉強嫌いだったわたしの自業自得なのだ)は新聞の折り込み求人をたよりにとある中小企業(いや中小企業でもない小企業)にやっと就職した。

営業車は十二台〜十五台あった。バブル景気がはじけてから少し景気のいい時と底割れというどん底を何度か繰り返して営業車の台数は増減した。

営業車は4ドアのセダンか5ドアのハッチバックが多くて、一台ずつライトバンとワンボックスがあった。その2台は荷物が大きいとき用でほとんど出番はない。走行距離が伸びないので買い替えられなくて年式は古かった。新人の営業はこのライトバンかワンボックスがあてがわれる。新人営業は定着するかわからない。すぐ辞めてしまう人が多いから、この普段誰も使わないこの2台がまずあてがわれるのだ。

駐車場に置きっぱなしのことが多いからバッテリーが弱る。乗り始めて2日目で営業先の工場の駐車場でバッテリーが上がってしまった。鉄工所のぶっきらぼうな工員さんにジャンプコードを貸してもらってエンジンをかけた。実はこのぶっきらぼうな工員さんが後、調達係になってお得意さんになってくれた。

ラジオはAMだけ。5つの選局ボタンをグイッと押し込むことでラジオ局を選ぶ。このグイッと押し込む選局ボタンはアナログラジオだから。今のデジタル式ラジオはプリセットが楽だけれども、アナログラジオはボタンにラジオ局を記憶させる方法(記憶というか固定なのだが)が違う。

選局ボタンを手前に引っ張りだすと選局(周波数)の固定が外れる、そこでチューニングしてラジオ局を選んだ後、ボタンをグイッっと一気に一番奥まで押し込む。そうするとそのチューニングの位置がボタンに固定される。別に電気的に記憶されているわけでなく、機械的にチューニングダイヤルの位置が固定されているだけだ。

これを一度行えば、それ以降はボタンを押すだけで選局できる。機械的に固定されているだけだから、乱暴にボタンを押したりするとチューニングの針が勢いよく動いてラジオ局の周波数の先まで行ってしまう。逆にボタンを軽く押したりすると針が手前で止まって、これまた選局できない。すこしゆっくりとしかも確実にボタンを奥まで押し込まなければならない。

今はこんなストロークのあるスイッチはない。今のスイッチはストロークが短くピクピク動いて感触が良くない。昔のスイッチの方が深く動いて感触が良いと思う。

そうそう、F12のシフトパドルの感触(押し感やストローク)は心地いい。ストロークは大きく。15mmくらいあるのではないか(測っていないけれども)始まりの12mmは反力が軽くて、いやほとんど反力は感じないくらい軽く、2mm以降に少し抵抗があって、その後はスコーンと吸い込まれるように動く、動くと同時に、「チッ」というリレー音(?)がする。わたしはこれをとても気に入っている。トップギアのジェームズ・メイ(今はグランド・ツアーのジェームズ・メイ)もフェラーリのシフトパドルをほめていた。

話しをラジオに戻す。

関東だとAMラジオはNHK第一、第二、FEN(米軍放送)、TBS、文化放送、ニッポン放送、ラジオ日本(ラジオ関東)の7局あって2局が5つの選局ボタン(プリセットボタン)から落ちる。ふつうNHK第二は落ちる。残り1つをFENにするかラジオ日本にするかが問題だった。歳が若いとFEN、おっさんはラジオ日本をプリセットした。後になってFM/AMラジオ付きの営業車に乗ったがFMは女性パーソナリティが気取った感じに空気みたいにしゃべるのが嫌いで聞かなかった。

学生の頃ラジオをよく聞いていたが、社会に出てからはすっかり遠のいた生活をしていた。営業車に乗るようになって再びラジオを聞き始めた。

営業車のラジオで色々な事件や出来事を知った。

 

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