「F12でクローズドコースを走る その2」
F12をクローズドコースで走らせた、のつづき。
以前から考えている事なのだが、ステアリングが重い方がスポーティとか、コーナーで安定するとか、わたしは変だと思っている。
軽いステアリング、イコール過大入力(ステアリングの切り過ぎ)という一方的な思い込みがあるのではないか。そして過大入力によってヤワなサスペンションが過剰にロールする恐怖、が図式化されていないか。
軽いステアリングだと人はハンドルを過剰に回すのか? 重いステアリングだと正確に回せるのか? そんなことあるのだろうか?
車種によってはスポーツモードをセレクトするとステアリングが重くなるクルマがある。実際にそうした車種を所有しているがセレクターを変えるたびに違和感があって、あえてそのモードを選択しないようになった。
アクセルの反応が変わるとか、サスペンスの硬さが変わるとかはまだ理解できるが、ステアリングの重さが変わるってなんの価値があるんだろう。
ミーハーな技術トレンドっていうのが過去にもあったから、ステアリングの重さが変わるっていうのも将来、そう扱われるたぐいの物かもしれない。
話しをクローズドコースに戻してF12。140km/hとか160km/hとからの加速感がすごい。
瞬時にグイッ、と前に出る力がある。5、60km/hからの加速感(増速感と言ったらいいのか)と変わらない。 400馬力クラスのクルマだとかなり伸びきった感じがする。
なんとなくクルマに、 「もう一回加速するんですか…? しょうがないなぁ…」と言われているような感じがある。
ところがF12は160km/hからアクセルを踏込めば瞬時にグワーっと増速する。この「伸び感」はすごいと思った。6リッター超え、700馬力超えの違いを初めて感じた。
170、180km/hでもサスペンションはフワついたりしなかった。いや180km/hどころではない200km/hに近づいても安定感はむしろ増していく。感覚的なものだがトーボードの辺りが少し沈み込んでいっている感じがする。
こうした感覚を味わった事はない。もしかしてこれが空力効果なのか。速度が増すにつれて安定感が増すって、それくらいしか考えられない(くわしい方おられますか?)。
つくづく自分の身体が超高速に慣れていないのが惜しまれる。
200km/hに近づくと横を流れる景色がほとんど見えなくなる。視野が狭まる、色が消えていくような感覚が増す。そしてある種の恐ろしさというか吸い込まれるような不安感が増してくる。 この感覚こそ身体が慣れない速度に踏込んでいる証拠だろう。
F12に乗るようになって身体の衰えを感じるようになったが、今回の超高速体験でもよりその自覚を強める結果になった。
以前、仕事で知り合いになったオーストリアのビジネスマンは、「アウトバーンだと大体160〜180km/hくらいで走っていく。いつもの事だからそのくらいのスピードが快適だよ」、この人はわたしより年上だったが、やはり速度になれているのだろう。
わたしも今からでも頻繁に体験すれば慣れてくるのだろうか。
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