読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「F12でクローズドコースを走る その4」

F12をクローズドコースで走らせた、のつづき。で、オシマイ。

タイヤは路面と740馬力の狭間できしむ。

強く加速すると多くの場合、路面の影響によるリアタイヤの上下動やジャダーを感じる。だから実際の路上では強い加速は不快な反応になる。クルマのせいばかりではなく路面のせいの場合が多いと思う。しかし、今回は路面が良いせいかそれらを感じない。

740馬力、690N-mのどれほどが出ているか分からないが感触がいい。タイヤにも車体にもギアボックスにもエンジンにも、F12のあらゆる箇所に強い応力がかかっている筈だけれども、まったく安定している。

トヨタのカローラならちぎれてバラバラになるような応力がかかってもまったく安定していて、そしてものすごく感触がいい。音も振動もすべてが整っている。

F12に乗り始めてずいぶんたつけれどもこの時、初めてF12の資質に気付かされた。

 

メーター読みで確認できたのは220km/hくらい。恥ずかしながらメーターを正確に読む余裕はなかった。200km/hに近づくあたりで感覚的な限界がくるのだ。けしてロケーションは狭くないのだが、飛び去る横の視界がなくなっていく不安感がこの速度あたりでいっぱいになる。慣れればきっともう一段階上の速度(250km/hなのか280km/hなのかはわからないが)受け入れられるかも知れない。

正直言って疲れた。実際に走った時間は30分ちょっとだったが不慣れな場所で日常ではあり得ない速度で、そしてなによりすでに若くないわたしの身体能力(とくに視力)にはそれが精一杯だった。

F12の水温、油温、ともに異常なかった。警告のたぐいはなにも発せられなかった。タイヤはかなりの熱を持っていた。

一方でいつも悩まされる爆音は不思議な事に気にならなかった。非日常的な速度とクローズドコースを走る高揚から意識の外に置かれたのかもしれない。

 

帰宅する道すがらDCTはほとんどオートマチックモードで走った。とても楽だ。

日はとっぷりと暮れて暗闇の中を走った。不思議なほど前後にクルマが居ない。振り返ってみればF12に乗るのはほとんど日中。夜に乗ったのは数えるほどしかない。

今日はF12の別次元を見た気がする。しかしこれを再び見る日はないと思う。またこれまで通りの鬱屈した日が続く。