「SLを注文する」
試乗してメルセデスベンツSL550を買うことにした。
当時のSL(R231前期型)はSL350、550、63AMG、65AMGの4タイプが発売されていた。試乗した結果から550を注文した。
63AMGの試乗も勧められたが断った。なぜなら新スポーツカーを探した理由が、その時乗っていたV8ミッドシップに疲れたから、なのだ。そしてもう一つの理由。63AMGに試乗したら気に入って買ってしまうような気がしたのだ。で、買ってしまったら、またV8ミッドシップ同様、後悔する、と思ったのだ。
わたしはそれまで何度か、激しいスポーツカーを買っては手放す、を繰り返してきた。
この反省からSL63AMGの試乗をすることなく550を注文した。もっともこの後も(このブログにあるとおり)F12を買って手放しているから、教訓はまったく生きていないのだ…。
SL550のオプションはあまり豊富でなかった。たしか、マジックスカイコントロールパノラミックバリオルーフ(長い名前…)の有無と、フルレザー仕様の有無、バング&オフルセンオーディオの有無くらいだったと思う。
メルセデスならば右ハンドルが良いと思ったが右ハンドルを選べるのは350だけ、550は左ハンドルしか設定がなかった(現在の231後期型も右ハンドルを選べるのは400だけ)。
メルセデスはBMWやアウディにくらべ右ハンドルに消極的なのだが、そろそろ改めた方が良いと思う。今やポルシェも右ハンドルがメインになっているし、フェラーリもほとんどの車種で右ハンドルが選べるのだ。
ボディカラーと内装色の組み合わせは決まりがあって、その範囲を超える組み合わせはオーダー不可だった(繰り返しますが現在の331後期型ではありません)。自由にコーディネートできるフェラーリに比べるとメルセデスは量産メーカーなのだ、と思う。
組み合わせ可能な物であっても内容によっては半年以上納期がかかる、と言われた。私の希望した仕様はそれに該当して納車は年末か年初になるといわれた。
SLのような生産台数の少ないモデルは毎日生産しているのではなく、2ヶ月に一度(たしかそう言ってたと思う)貯めた注文をまとめて生産、出荷するらしい。だから注文が直近の生産計画に入る場合と次回の生産に回される場合とで納期は2ヶ月の差がでることになる。
SLはすべてドイツ ブレーメン工場で生産されている。ブレーメン工場は欧州向けのEクラス、Cクラスの一部とSLC、GLCを生産している。
結果的にわたしのSLは夏に注文して納車は年末になった。オープンにするにはきびしい季節になってしまったこれはしょうがない。
最近のSLの生産台数を調べてみた、
2011年は約3100台
2012年は約14000台(231型発売)
2013年は約10100台
2014年は約8000台
2015年は約6000台、
2016年は約11000台(231後期型発売)
(2012年と16年のモデルチェンジの端境期が分からない。12年の14000台には前期230型が混ざっているのかも知れないし、16年の6000台には前期型と後期型が混ざっているのかも知れない)
ポルシェ911は毎年3万~3.5万台、コルベットの現行モデルは毎年4万台売っているからSLの数は多いとは言えない。
最大の競合車種であろうBMW6は(実際に乗ってみると6とSLでは大きな差があり6はSLよりずっとセダン的に思える)、
2011年は約16200台
2012年は約25800台
2013年は約26200台
2014年は約23800台
2015年は約18000台、
2016年は約16100台、
と6シリーズはSLの倍以上の台数を売っている。SLはそれほど人気のあるスポーツカーとは言えないようだ。