「SL550のシートについて その2」
SL550(R231)のシートの話しのつづきです。
シートの調節はドアに付いたスイッチで行うので便利。F12はシート座面の横に付いたスイッチで行うので目くら操作になって不便だった。
調整部分はごまんとある。シートの前後調整、シートバックの角度調整はあたりまえの事として、シート上下、(シート前側、後ろ側で別々に調整することもできる)シートの座面の前後長さも変えられる。サイドサポートの幅の調整、ランバーサポートの張り出し量と上下位置の調整、ヘッドレストの上下調整もできる。シートヒーターの温度は3段階で温度配分を座面と背もたれで変えることもできる。シートベンチレーションの強さも3段階調整。
ドライビングダイナミックシート付きなら、その加減の強弱と停止を選べる。マッサージ機能も色々な設定がある(このマッサージ機能、しょせん運転中に使うものだけに、家庭用のマッサージシートに比べればまったく刺激に欠ける代物。なんじゃこりゃと思って二度と使ってない)。
SLが納車されてしばらくあの部分この部分と調整したが、いくらやっても自分に合ったシートポジションにならない。色んなところが動かせるが故に基準が出ない感じがする。要するに原点がとれない感じ。
前回も書いた通りわたしはシートを前に出す。
わたしの体形は胴長短足。おまけ手も短い(不恰好な体形だなぁ)。だからペダルを踏み込む為にシートは前にだす。シートバックは少し寝かせ気味にする。シート高さはちょっと高め。手が短いくせにステアリングは上部までしっかり抱え込みたいからテレスコピックは目一杯長くする。メーターを見やすいようにチルトも比較的高めにする。
フロントスクリーンの見晴らしが違うからによってシート高さはクルマによって変えるが、おおむねこんなシートポジションにする。
でもSLはどれだけ乗っても決まらない。一、二週間に一度は先週、書いた腰椎の痛さを和らげるためにいろいろ調整する。これを何年も繰り返している。この調整部分の多さは渋滞の時には気がまぎれて良いのだが。
ダイナミックドライビングシートとマッサージ機能はSL550にのみ標準で、SL350(400)は省略される。センターコンソールのコマンダーとセンターディスプレイで効きの強弱と停止が選べる。
ダイナミックドライビングシートはどんな動きをするかというと、車両の傾きを検知してシートバックのサイドサポート部分が動く(サイドサポートに仕込まれた空気袋の容量を調整する事で動かしているらしい)。感触としてはサイドサポート部がわき腹を押し戻す感じ。
「旦那さま大丈夫ですか、ワタクシめがわき腹を支えさせていただきます」、
シートがそう言っている気がする。
ロールの度合いに応じて支える量も加減される。例えば首都高3号線大橋ジャンクションの螺旋カーブなんぞはここぞとばかりに支えてくれる。この機能。車体の傾きを検知して動くので直線でも車体が傾くと作動する。例えば路面に凹みがあっても作動する。
傾きを感知してから作動まではコンマ何秒遅れるからスラロームのような場面では役に立たない。高速道路の大きなカーブで作動することを目的にしたものだと思う。
ただ、この機能がどれほどの意味を持つかは疑問だ。
「高いクルマだから、至れり尽くせりなのね」、
とオーナーをニヤリとさせる為の装置だと思う。高価なクルマを売るにはこういうのもセールス上、必要なのだろう。
シートヒーターは3段階で熱さが変えられる。温まるのに3分くらいかかる。もう少し早くならないものか。3段階の高温にしても時間とともに弱まって最弱になるようだ。冬の朝はシートヒーターが必須だけれどもバッテリーは3年間問題なかった。
シートベンチレーションも効きは3段階。効果はそれほど感じない。炎天下に作動させても涼しい感じはしない。汗ばむのが抑えられる程度。ゲームセンターのエアホッケーくらいピューピュー出ないもんだろうか。
この夏、一つ発見があった。このシートベンチレーション、クルマに乗り込む前に作動させた方が効果があるのだ。炎天下、エンジンをかけベンチレーションを最強にする。更にエアコンのダクトをシートに当てるようにして1分シートに座らず外で待つ。すると熱くなった革シートがかなり冷えるのだ。