フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「SLのタイヤについて」

SLのシートのつづき。

現行R231後期型は400も550もシートの皮革はナッパレザー仕様。前期型の350はナッパレザーがオプションだった気がする。このナッパレザー、表面のしっとりとした滑らかさや、革の厚みを感じさせながらもしんなりとした柔らかさを感じさせてとても良い。

オプションのフルレザー仕様にするとダッシュボード部も皮革になって高級感は高まる。ただ耐久性からいえば標準の合皮の方が高いらしい。この合皮、ナッパレザーのヌメっとした見た目と比べると多少安っぽい感じがあるが、見比べてみて初めてわかるくらいだから特別なこだわりがなければこちらで充分だと思う。

SLは本革部のステッチカラーを選べるような芸の細かさはない。SLに乗ってみるとわかるがクルマのつくりはあくまで大量生産を前提にしたデザインと仕上げであって、F12の内装のように型を使わないデザインや仕立てとは対象的に見える。

シートの話しはこれくらいにして今度はタイヤの話。

前輪、255 35 19 ZR 96Y MO

後輪、285 30 19 ZR 98Y MO

がSLのタイヤ仕様。MOはメルセデスベンツ規格適合をさすそうな。この適合規格なら車輌の保障の対象になるらしい。セールスマン氏は確かそう言ってた。フェラーリの時も同じ事を言っていたと思う。ディーラーはユーザーとメーカーの中間にはさまる存在で、規格を守っていればメーカーに補償してくれと言いやすいらしい。

もっともタイヤがメルセデス規格適合だからといってどんな故障が補償対象になるのだろうか。パンクが補償になるはずはないだろう。もしかしたら故障が多いメルセデスのエアサスペンションのトラブルも規格外のタイヤだと補償されないのだろうか。

前輪255mm 35%、後輪285mm 30%。これくらい扁平タイヤになると一般道の運転ではサイドウォールの変形はあまり起こらず、コーナーリング時のタイヤの差はあまり発生しない。乗り心地やロードノイズの方がタイヤの印象を左右する。

でこのSLのタイヤ、コンチネンタルConti Sport Contact 5 P とピレリP Zeroのどちらかが標準装着される。後期型はピレリが着いてくることが多いようだ。

この2銘柄以外でMO規格をとっているのはブリヂストンPOTENZA S001と横浜ゴムADVAN Sport V105Sの2銘柄。

4銘柄をそれぞれ新品から1万5000kmくらいまで走行した印象を書くと、コンチネンタルConti Sport Contact 5 Pはロードノイズ低くて柔らかさを感じてSLの性格にはもっとも合っていると思う。ただ価格はピレリ、ブリヂストン、横浜ゴムに比べて少し高い。

ピレリP Zeroはロードノイズが高い(特に荒れた路面では一層うるさく感じる)、サイドウォールもトレッド面も硬い感じがして乗り心地は硬くゴツゴツする。価格が他の銘柄に比べて安く長寿命なのが取り柄だと思う。 

ブリヂストンPOTENZA S001はピレリについでロードノイズが高く。乗り心地も硬い。ピレリに似た感じだが寿命はピレリより短い。価格はコンチネンタルについで高価だからかなり評価は低くなる。

横浜ゴムADVAN Sport V105Sはロードノイズが低くて、乗り心地も柔らかさを感じる。価格も安い。寿命はコンチネンタル、ブリヂストンと同じくらい。4銘柄のなかで最もコストパフォーマンは高いと思う。

こう知人に話したら、彼はブリヂストンが最も良いという。乗る人によってタイヤの印象はずいぶん違うものだ。

わたしの走り方だと大体1万6000kmから1万7000kmで3部山くらいまで磨耗し交換した。ピレリは1万9000kmキロ近くまでもった。

タイヤの減り方は使い方によってかなり違う。発進停止を繰り返す一般道は減りがはやく、高速道路を走ることが多いとあまり減らない。ちなみにSL550と350(400)とでは車重の重い550の方が摩耗が早くすすむ。