フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「オートマチックハイビーム、コーナーリングライトについて」

冬至近づく今日この頃、ライトに頼る機会が増えてきた。

メルセデスのライトは早々に点灯する。欧州車のセンサーの方が早めに反応するのはよく知られたところだ。たまに日本車に乗ると、「まだ点灯しないのか」と思う。これを友人に話したら、「明るいのにライトつけてる欧州車の方が迷惑」と言われた。たしかにそうかも知れぬ。朝、ずいぶん陽が高くなってもまだライトをつけて前のクルマを照らしているのに気づく。メルセデスのライトスイッチがダッシュボード下の変なところになければ早くつきすぎるオートライトスイッチを消せるのだが。

ということで今回はヘッドライトの話し。

SLのヘッドライトは231の前期型、後期型で異なる。前期型はオートマチックハイビーム付きHIDライトでコーナーに応じて光軸を調整するインテジジェントライトシステムがつく。これに加えて方向指示器作動とステアリング操作によっても点灯するフォグランプがつく。

後期型はオートマチックハイビーム付きLEDライトに変更され、ハイビームのまま対向車や先行車を幻惑させないインテジジェントライトシステムに進化し、フォグランプは廃止された。

前期型のフォグランプはなかなか便利だった。方向指示器を作動させると近距離(6〜8メートルくらい)の斜め前方を照らす。このライト方向指示器を出してこれから入っていこうとする暗い路地の中を照らしてくれたり、無灯火で歩道を走っている自転車や黒い服を着た歩行者を照らし出してくれたりする。

このライト、方向指示器を作動させなくてもステアリングを一定の角度以上切ると点灯する。だから曲率の小さなコーナーなら点灯するし、夜、ステアリングを切って発進する時もその先6〜8メートルの路上を明るくしてくれる。

個人的にはコーナーの先に光軸を向けるASFヘッドライトより有用な場面が多いと思っていた。後期型はこのフォグランプが廃止されてしまってとても残念だ。

オートマチックハイビームは対向車や先行車はもちろんのこと街路灯にも反応して暗闇にならなければハイビームにはならない。だからハイビームになる機会は実際には非常に少ない。HIDランプはとても明るく不満はまったくない。

後期型のLEDヘッドライトはオートマチックハイビーム、ASF機能に加えて対向車、先行車を幻惑しないようハイビームの照射範囲を調節する進化したインテジジェントライトシステムが採用された。走っていると対向車や先行車をよけてハイビームにしているのがわかる。先行車への光のあたりかたはロービームと同じで、その周囲にハイビームの強い光量が及んでいる。これまで見たことのない光景ではじめはひどく不思議な感じがした。

実際に先行車のドライバーの目にはどんな風に映っているのだろうか。後続車からハイビームを浴びせられるとバックミラー、サイドミラーはもとより車内すらも明るく照射され目つぶしを食らうはず。このライトだと直接そうした光は目に入らず、後光がさすように見えるのかも知れない。 

 

しかし、それにしても最近のヘッドライトは明る過ぎないか。速度が遅い時はもう少し暗くしても良いのではないかと思う。

それともう一つ、最近のヘッドライトは方向指示器と一体化するのがほとんどだが、ヘッドライトの強い光量に方向指示器の点滅が埋もれている車種がある。直視できないほどのヘッドライト近くでチコチコと方向指示器が点滅している。点滅しているのを瞬間的に見分けられない。いろいろと凝った機構を仕込むのも良いが基本的な設計が甘くては機能向上にならない。

SLに話しを戻すと前期型のヘッドライトの方がよほど出来がいい。デザインも爬虫類の目のようになってしまった後期型より、イノシシの鼻のような前期型の方が特徴があって良いと思っている。