フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「事故処理」

ついこの間、渋滞に巻き込まれた。いままでいちども渋滞にあったがない場所で、なんの前触れもなく進まなくなった。信号は青になったのに20メートルくらい進んだ後ピタリと止まったまま動かなくなった。時間は1分、2分と過ぎていく。

先は見えない。30メートルくらい先が起伏の頂点でその先は下り坂になっている。連なるブレーキランプで道端の生垣や電柱まで赤く染められている。

対向車も走ってこない。明らかにおかしい。前後のドライバーも同じ気持ちだろう。おそらく事故だ。クルマを降りてみた。止まっているクルマのドアが一斉に開いてドライバーが降りてきた。

「なにかあったね」

そう言えば、こうした経験は今まで幾度かある。悲惨な人身事故であったこともある、車両火災であったこともある、転覆事故だったこともある。今日は何か。興味というよりひどく憂鬱な、気乗りのしない気分だ。かつて営業車で客先に急いでいたときは、遅れるというあせりと同時に人命救助や通報の義務に気がせいた。でも今日はちがう。気鬱な気分が広がっていく。

歳をとったのかも知れない。さぁ、はやくみんな様子を見てきてくれ、事故であったら警察に通報し、怪我人がいたら救急車を呼び、応急処置をしてくれ。わたしが救急救命処置をならった時はAEDはなかった。最近は救急処置の仕方はずいぶん変わった。もう私の知識。

 

歩いて行くと原因はすぐわかった。交差点の中でクルマが2台、スクーターが1台が転倒している。

スクーターに乗っていたであろう若者は足を怪我したようだ、ひざのあたりをさすりながら立っている。クルマを運転していたドライバーも怪我はしていないようだ。

事故車の間をぬって交差点をすり抜けるのは無理だとわかった。路線バスも交差点の手前で停車したままだ。交差点を通過できないと悟ったクルマが次々、Uターンし始めた。

救急車のサイレンが近づいてきた。重症なけが人はいないようだし、なにもすることはなさそうだ。

遠回りになるが、道を引き返すしかない。別に急ぐ用事はない。

あの事故はなにが原因だったのだろうか。スクーターと2台の車両(軽ワゴンと2ボックスカーだったように思う)の停止した位置からするとスクーターと1台の車両の事故が発生し、直後にもう1台の車両が事故車に追突して横転したように思える。

一見しただけで事故の原因はわからない。あれこれ思いを巡らしてもしょうがないと思う。きっと警察の検分は、前方不注意とかスピードの出し過ぎとか、そうした言葉でくくられて終わるはずだ。分類としてはそうしたよくある欠陥行動に原因されるのだろうが、実際にはその奥に事故に至る原因がある。

そう言えば、営業車に毎日乗っていた時は、事故に遭遇したあと、営業車を運転しながら、あれやこれやとその原因に思いを巡らし、ありきたりにくくられる欠陥行動のもう一つ奥にある原因はなんだったのかと思いを巡らしていた。