フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「あらためて フェラーリF12の最後 その3」

わたしの住居は東京近郊にあって、都内ほどの交通量はないが、地方のように交通量も信号もすくないということもない。このシチュエーションはF12にとって良かったと思っていない。

やっぱりクルマを運転するには前後にクルマが少なく、信号もない適度にカーブがある道路の方がいい。

別に速度違反や官憲の目を気にしてのことではなく、他のクルマや歩行者に気兼ねなく走れるという意味でこうしたシチュエーションが良いと思っている。

都内を走っていると人の目が多い。フェラーリはかなり目立つ。ミドシップフェラーリほどではないがF12もそこそこ目立つ。

F12の外観デザインはとてもマッシブだ。駐車場に並んでいてもでも渋滞の車列に紛れていてもそれを感じる。

「デカいクルマだなぁ」、と思う。

不思議なことに写真で見るよりも実物を目で見るとひときわそう感じる。車高はあまり低く感じない。むしろ上に盛り上がるような大きさがある。

フロントフードが低く如何にもミッドシップな458や488とは対象的だ。

この押しの強さのあるデザインは嫌いではない。ただ大径丸型一灯のテールランプはちょっともっさりした印象がある。現行の812の方がシャープでいいと思う。転じて812のフロント周りはゴテゴテした印象があって、むしろF12の方がスッキリしていて好ましい。うまくいかないものだ。

F12で都心を走るたびに感じる。フェラーリは人の目にとまることが多い、これを気にしているようではダメでおおらかさというか鷹揚な気持ちが必要だ。

F12の外観デザインはそのテールランプとちょっとあざといT字のデザインを除いて良いデザインだと思う。F12は内装のデザインは不満があるけれども外観デザインに関しては合格だと思っている。

 

F12の原価はいくらなのだろうか(購入価格はオプション、諸経費込みで4000万円超だった)。

原材料費、購入部品費、生産労務費、工具や型や工場の償却費、生産諸経費、開発費の償却費、パテント費、その他諸々で製造原価はいくらなんだろう。この製造原価の後に販管費が乗る。販売ネットワークにかかる費用や償却費、広告宣伝費(自動車評論家を招いた試乗会の費用もこの中に配賦されるだろう)、輸送や保険も含まれる。フェラーリの決算は発表されているけれども詳細な項目はないのでわからない。

F12は乗るたびに猛烈な熱気を発していた。夏はもちろんのこと真冬でもドアを開けると車体したから熱気が立ちのぼる。6262cc12気筒エンジンはガソリン1リッターを4kmでこの熱気と排気ガスに替えてしまう。

フェラーリに経済性など求めるつもりは毛頭ないけれども、車両価格はフェラーリはランボルギーニやアストンマーチンにくらべてちょっと高い気がする。