フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「レベル2自動運転」

ここ数ヶ月、レベル2の自動運転を作動させて走ることが多い。高速道路だけでなく一般道でも試している。

高速道路(信号や交差点のないバイパスも)の混雑時には重宝する。ただしこの重宝というのは運転が楽、というレベルであって、運転をクルマに任せるというには程遠い。

隣の車線から割り込んで来た時や、前走車が隣の車線に出て行った時などまったく安定しない。毎回違う反応をするので気が抜けない。

前走車が隣車線に出ていったとき、前方の車のなくなった空間に猛然と加速し始める時がある。もちろん前が空いていれば問題ないのだが、大抵はその先に前走車が走っている。前走車を検出せず加速をしていき、衝突警報が鳴ることも度々あった。

隣の車線から合流がある場合、すいた高速道路の合流のように前方に余裕を持って入ってくるときを別にしてドライバーが操作を替わらねばならない。

車線検知も間違うことがある。わたしがよく使うバイパスのある区間は、午後晴れているとガードレールと路肩の植栽ブロックの影がアスファルトにおちる。ガードレールの下端と植栽ブロックの隙間の陽光を白線と感知してライン逸脱の警報をならす。クルマは車線の中央を走っているが、その影はタイヤのすぐ横におちているから警報が鳴るのだ。実害はないが、わずらわしいこと限りない。

こんなのは実験でいくらでも検知できそうだと思うがやっていないのだろうか。

 

いまのところこのレベル2の自動運転、高速道路では使える。ただ渋滞した時の前方流入の対応はまったくできていないし、前が空いた時の誤認識の確率もかなり高い。

そして一般道ではまったくぎこちない。

なぜこんなにギッタンバッコンたどたどしいのか。もっと柔軟に車間距離を詰めたり、速度を微調整したりスムーズにそして素早くクルマを動かせないのか。自動運転と名乗れる代物とは言えない(実際、取説には「信用するな。ドライバーが運転しろ」の文言が繰り返し書いてあるのだが)。

人が運転しているほうがよほどスムーズに動くなぁ、自動運転モードを作動させているあいだ、ずっとこの感想が頭の中を渦巻く。

人がいかに様々な状況を察知してクルマを運転しているか、がわかる。

様々な状況…。

以前から思っていることなのだが、「ひとは雰囲気を感じて車を操作している」、そう思う。

自動運転車のレーダーやらレーザーやら赤外線といったセンサリングと、人が察知する雰囲気にはずいぶんと差がある気がする。