フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「フェラーリじゃなくてもクルマは楽しい」

いや〜、佐藤琢磨のインディ500優勝。すごいですな。とぉとぉここまで来たかと思います。

子供のころ偶然、ホントに偶然TBSが放送したF1日本GPを見た。後の人気レーサー、ジル・ビルニューブが引き起こした観客死亡事故が起きた第二回F1グランプリだ。

すでにクルマ少年だった私だが、興味は市販車ばかり。レース、特に葉巻型レーサー(葉巻型レーサー、単座のレース専用車両。F1とかF2なんかを当時そんな呼称で表したんですな)は興味がなかった。クルマ少年は自分が乗れそうなクルマにしか興味がないのである。

でも、この放送を見た後、手元のクルマ年鑑を見ると(クルマ年鑑といってもカーグラフィックや月刊乗用車?だっけ、が出していた大判の年鑑ではなく、プロ野球選手名鑑に似た小版のクルマ年鑑。クルマだけでなくバイク、レースカーも載っていた子供向けの本だった)。F1マシンやルマンに優勝したクルマは載っていた。

以降、クルマ少年は少し変質していく。スーパーカーブームなどに影響されながらもメカ系、モータースポーツ系に振れて、自動車工学とかオートスポーツを読み始めたのだ。

当時のF1チームはフェラーリ、アルファロメオ、ルノー、マクラーレン、ロータス、リジェ、ブラバム、ウイリアムズ、ATS、ティレル(タイレル)、エンサイン、シャドウ…。

フェラーリ、アルファロメオ、ルノーは市販車メーカーで聞き覚えがあったが、レース専門チームというものに強く引きつけられた。

エンジンは別として数十人のチームでマシンを設計、製造してレースを戦う企業がある、それを生業としている人たちがいるというのはクルマ少年にたまらなく面白そうに思えた。マッハGoGoGoのような世界がホントにあるんだな、と思った。

以来、F1をずっと見続けた、もっともテレビ放送などはなかったから、雑誌を読むしかなかった。

わたしがF1に興味を持ちはじめたころはフェラーリがまだ活躍していたが、やがてフォードDFVを搭載したグランドエフェクトカー全盛になっていく。いまほど常勝チームというは無く年ごとに勢力に変化が起きる。今思うと見応えのあるシーズンがつづいていたと思う。

ホンダが参加して、日本にF1ブームがやってきて、古舘というアナウンサーががなり立てる頃はF1への興味は薄れていた(F1がどうこうではなく、卒業後の進路をどうするか、自分の身の振り方を考えるので忙しかったのだ)。中島悟や鈴木亜久里の活躍は見ていたが、それ以降にF1に出ていった日本人ドライバーはあまり知らない。

今回の佐藤琢磨のインディ500優勝は、錦織圭が全英オープンで優勝するのに匹敵するくらいの快挙だ。今後も活躍を続けて入賞を重ねてほしいと思う。

いかん、佐藤琢磨のインディ500優勝に影響されて話しが横道にそれた。

 

 前回につづいて、クルマの車重の話し。

前々回までフェラーリF12のどこが良いとか悪いとか、あちこち掘り出して、こだわった話ばかり。自分で書いていて、ひどくつまらなく、憂鬱だった。

でもクルマはもっとおもしろい乗り物のはず。だって昔は会社から偶然あてがわれた安物営業車を運転するだけでも面白かったのだから。

つたない性能のクルマほど、車重を感じながら、その車重を如何にスムーズに移動させるかが、早く、そして安定して走る肝だと思っている。

かつてジャッキー・スチュワート(たしかジャッキー・スチュワートだったと思う)が、ドライビングが上手くなりたければ、水を入れたコップをダッシュボードに置いて走れ、と言っていた。あれと同じだ。コップの水を横目で見ながら走る。水を揺らすのはすべて自分のドライビング一つ。

会社からあてがわれれた安物の営業車だって、そうやって走ればずっと楽しい。要は動くクルマを感じる(わたしは車重こそ肝だと思っている)気があれば、クルマは楽しむことができる。

そう、フェラーリでなくたってクルマは楽しい。