「SL550(231前期型)の細部について3 東京モーターショーなど」
前回、メルセデス・ベンツのライトスイッチは使いにくいと書いた。ステアリングコラムから出たレバーにライト関係のスイッチを統合した日本車の方が操作性が良いとした。
スイッチの配置はメーカー毎の考え方(ユーザーインターフェイスに関するメーカー毎の研究や知見)や、コストの制約から決まる(まぁ、サプライヤー選定上、それしかないという事情もあったりして、複雑なのだが)。
前回、書いたメルセデス・ベンツのダッシュボード下部の取り付けたロータリースイッチにどういったメリットがあるのか知っている方がいたらぜひ教えてほしい。
これまで何度が欧州の自動車メーカーの技術者と話したことがあるが、日本車(日本に限らずアジアでしょうな)を見本にしない、という意識を感じたことがある。これは合理不合理を超えた意識だと思う。自動車は俺達が造った。お前らは真似ただけ。日本の自動車技術?いらないね。我々は充分、間に合っている。そんな意識が垣間見えた。
そうした点で欧州車にPHVが増えたのは、してやったり。ハイブリッドに頭を下げさせたということだろう。
東京モーターショーに行ってきた。予算をしぼった結果なのか、日本の自動車メーカーの展示がずいぶんとおとなしい、というか静かになった。
フェラーリは今年も出ていない。もう何年も出展していない。北京、上海モーターショーには出す。以前も書いたがフェラーリのオフィシャルページに取り上げられる中国人がとても増えている。フェラーリのアジアのセールスは中国主体なのだ。
メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェは今回も展示をしていた。でも前回よりお金をかけているように思えない。輸入車の参加がこれ以上少なくなると単なる日本車展示会になってしまう。ここは参加してくれるだけでありがたがるべきかも知れない。
発売予定のクラウンやレクサスLSなど見た。新型LSは初めて実物を見たが、ずいぶんとクーペ的なデザインだと思った。カッコはいいと思うが乗せられる身としてはどうなんだろう。オプションのドア内張りのプリーツ仕上げ、切り子調のカットガラスは162万円だそうな。このオプション、職人の手作りのため月の生産台数は5〜6台と言っていた(たしか言っていた気がする)。
中国ではレクサスは人気がある。レクサスは日本製、彼らは良く知っている。
「これは日本の京都の職人が一つ一つ手作りしたもんだ。月に5台しか作れないんだ。中国で今月注文できるのはうちのディーラーだけ。あなた注文しないか?」
買う中国人はいると思う。
個人的には一番たのしかったのは二輪ブース。
ホンダのRiding Assist-eは興味深かった。いわゆる立ちゴケしやすい低速走行のアシストと、駐車・車庫入れ時に自立走行を任せられるのはありがたい。エンジンでなくモーターを動力にするのもいい。エンジンじゃなくてもバイクのおもしろさはきっと味わえると思う。そもそも下手っぴライダー私は低速取り回しで半クラッチでアクセル煽る操作が苦手。エンストの心配がないモーター化は願ってもないことだ。
ヤマハのMOTOROiDやMWC-4、NIKENもいい。乗ってみたいと思わせる。生産を取りやめたホンダ・モンキーが125ccで復活するかも知れないとか、ヤマハのトリシティの155cc版が出るとか。来春、すっかりヘルメットを買うつもりになってしまった。
自動運転に向かう4輪車を否定はしない。年齢を考えればむしろ望むところだ。でも自動運転車がスマホで数分以内にどこでも配車される環境になった時、お金を払って個人所有するならこれらのバイクになるかもしれない。
これらのバイクでほんの30分、1時間を走るだけで、初めてクルマに乗った時の楽しさ、自分が飛ぶように早く走る、というクルマの根源的な面白さが叶えられると思うのだ。
う〜む、バイクを買ったりしたらF12のとき以上に家族から呆れられてしまうかもしれない。
次回はまたSL550に話しを戻します。