「 税務署というものは 」
前回、経費について説明しました。
売上げ − 経費 = 利益
税務署は利益に税金をかけて納税させます。(納税させますと書いてしまいましたが、以前も書いた通り納税は国民の義務であります。為念)
あなたはサラリーマンか自営業か何かでお金を得ています。
多少なりとも預金があり、ローンを組む事もできます。
前回までいろいろ書いてきましたがフェラーリを使った営利事業をやります。
会社を起業するなり個人事業主届けを出すなりします。
そのお金でフェラーリを買います。そして保険も入ります。車庫も借ります。整備点検もします。ガソリンも入れます。高速道路も走ります。
それらのお金を経費として記録します。
フェラーリを買ったお金は減価償却費として計上します(減価償却…げんかしょうきゃく、です。これはまたくわしく説明します)。
保険料は保険証書なりの書類はしっかりしているので大丈夫。
車庫も基本的に大丈夫。フェラーリを保管するために合理性のある車庫なら大丈夫です。
整備点検もフェラーリを故障させずに維持する内容なら大丈夫です。摩耗していないタイヤを交換したら駄目です。税務署は認めない可能性が高いです。
ガソリン代も高速道路代も営利事業に関わるものであれば認められます。ただ営利事業に使用したと証明する記録をしなければなりません。
「休日にドライブしただけじゃありませんか?」、
と税務署に突っ込まれる記録では駄目です。
客観的に、確かに業務に使っている、と説得できる記録が必要です。 これがすごく大事。税務署に、
「この人は真剣に事業を行っている」、
と認識させなければいけません。
基本的に税務署は経費を認めたがりません。
認めれば認めるほど利益が少なくなり、ひいては徴税できる税金が少なくなるからです。
売上げ − 経費 = 利益
売上げが100万円で経費が90万円なら利益は10万円です。税務署は10万円に税金をかけます。 ところが、 経費が60万円なら利益は40万円です。40万円に税金をかけられます。
税務署は経費が正当なものか、そうでないかの区分けは真剣にやってきます。
この前、ニュースで国税局が大手料理学校の申告漏れを指摘し、料理学校は修正申告して納税した、と報じられました。
料理学校側の税務申告の内容と国税局の税額計算に見解の相違があったということです。
実際には双方の間で相当の論争があったのだと思います。料理学校側は裁判で争う事も考えたかもしれません。結果として裁判に訴えることなく料理学校側が折れて修正申告に応じたのです。
もしかしたら料理学校側の主張を一部認めて修正申告に含めなかったものもあるかも知れません。
課税される側の企業と課税する側の税務署の間で課税の範囲、課税額を巡って駆け引きはよくあることです。
フェラーリで営利事業を行うことでフェラーリにかかるお金を安くすることは出来ますが、本当に事業をしていること、それを税務署に認めてもらう事、認めてもらえなければ裁判で争う覚悟があること、が必要です。
フェラーリのためならそれをする価値がある!
と思うなら頑張りましょう。 (今回も終わらなかった…。つづく)