「フォルクスワーゲンの不正」
フォルクスワーゲンの不正ソフトウェアの報道が盛んに行われている。
ディーゼルエンジンの拡販を急ぐあまりの不正だったと言う。
こうした企業の不正が発覚するとまことしやかに、
「企業の不正、けしからん」、
と言う論調が起きる。
批判しているのは政治家や行政官、マスコミ・ジャーナリストばかり。営利事業に関わらず収入を得ている人間たちだ。
一方で企業経営者の多くは口をつぐんでいる。
なぜ、企業経営者の多くが口をつぐんでいるか。
それは営利事業の本質、
「利益の多くは奪い合いで得るもの」、
というのを知っているからだ。
営利事業は利益を出さねば生き残れない。
ではその利益は努力や真面目さや顧客に奉仕することでだけで手に入れることが出来るのか。
無理だ。
努力や真面目さは皆が行っている。何千、何万という企業と何万、何十万という社員がそれを行っている。
同じ市場の中で多くの企業がしのぎを削って競争しているのだ。 努力や真面目さだけでそれが手に入れられない。
経営者は誰しもがこう考える。
競合を上手く出し抜く方法はないか。競合企業が気付いていないもの、知らないものはないか、それを使って出し抜きたい。市場で先手を打ってシェアを伸ばしたい。多くのシェアを手にし市場そのものをコントロールする力を持ちたい。そして勝者として競争を終結させたい。
そう思わない企業経営者はいない筈だ。
「企業経営者は正しい人間でなければなならない」、
テレビのコメンテーターがしたり顔でそう求める。
正しいにこしたことはない。しかし、企業経営者は所詮、私企業、民業の人間でしかない。
経営者は利益を上げなければ評価されない。
利益を上がられない経営者は株主から排斥される、儲らない会社では従業員も去って行く、儲らない(ひいては成長しない)会社に見切りを付けて出て行く従業員もいるだろうし、業績不振で解雇され去って行く従業員もいるだろう。
経営者は儲けることでしか使命を果たせないのだ。