フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「SL550(231前期型)の細部について2 ワイパーなど」

前回のつづき。

SLのワイパーはマジックビジョンコントロールなるもので、ワイパーブレードにあいた穴からウォッシャー液が出る。穴はブレードの両側にあいている。穴の間隔は2センチくらい、ウォッシャー液はブレードの2~3センチ前のフロントガラスに「着地」する。

ウォッシャーのボタンを押すとワイパーも同時に作動しはじめウォッシャーが出てくる。噴射はブレードの動いて行く側にしか噴射しない。動くワイパーブレードから噴出するからしっかり目で追っていないとウォッシャー液が噴射していることに気づかない。

このシステムの肝はワイパーブレードの動く直前にのみ噴射することでウォッシャー液が飛び散ることがない、故にSLのルーフをオープンにした時にウォッシャーが室内に流れ込まないというものだ。

ウォッシャー液が飛び散ることがない、と書いたがドライバー側のブレードの往復ポイントにはウォッシャー液が溜まる。速度が低ければ下にたれるし、速度が早ければサイドウィンドウ側に流れてやがてドアノブあたりのボディーに落ちていく。たしかにオープンにした時、室内にウォッシャー液が流れ込むことはなさそうだ。(サイドウィンドまで下げてたらダメですな)

ただ、オープンにしているときにフロントウィンドウを洗うというシチュエーションはそれほどおとずれることはなくオープンの時にこれを作動させたことはない。 

ワイパーの作動は雨滴感知のLoモード、Hiモード、連続作動のLoモード、Hiモード、ミストの5モード。雨滴感知の感覚は違和感がない。この感覚がズレて早く拭きすぎたり、遅すぎたりすると苛立つ。いっその事マニュアルで間欠時間が選べるタイプの方が良かったりする。

ワイパーの作動はしっかりしている。払拭面積が大きくなるよう機構されたワイパーアームは太くてビビることはない。もっともガラスに変な付着物があるとブレードがビビることはある。このあたりはメンテナンスの話でクルマに責任はない。

いくどか雪に見舞われた。フロントウィンドウには熱線が通っていて雪を溶かすのかもしれない。FRのSLでフロントウィンドに雪が溜まるほど走ったことはないのでその効果を確かめたことない。

SLのワイパースイッチは左コラムから出たレバーに集中している。この左レバーは方向指示器とパッシング、ワイパーを操作する。ライトのON、OFFやフォグランプなどはダッシュボード側の回転式スイッチで行う。このライトのスイッチ、昔から変わらずこの位置にある。

「ダッシュボード上のライトスイッチはメルセデス・ベンツの定番、信念」、

などと持ち上げる人がいるが便利でもなんでもない。正直、ありがたがっている人の気がしれない。

夜、走行しているとクルマが合流してくる時にヘッドライトを消して合流をうながすことがある。アプローチが短い首都高速の合流などではありがたい行為だ。それと交差点で右折待ちをするとき対面走行車をまぶしがらせないようヘッドライトを消すこともある。そうした時、ベンツのライトスイッチは操作しにくい。

わたしは日本車のステアリングコラムから左右のレバーが出ていてライト、ワイパー類を操作する方式が一番使いやすいと思っている。