フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「BMWについて」の巻 

仕事中にBMW M3の後ろを走ることになった。

こちらは普通のトヨタである。(普段仕事で使用しているのクルマはトヨタ、日産の乗用車です)

信号発進の度に腹に響くような迫力ある排気音がする。。

排気音の演出が始まったのはこの10年くらいだろうか(くわしく知りません)。

非現実なスピードを比べるよりもよほど感応的で緻密な楽しみだと思う。

人間の音にたいする感覚はとても繊細でこだわりがいのある技術分野なのではないか。(むかしドアの閉まる音が高級車であるか否かの判断基準になったように)

私が子供の頃は大型のオーディオシステムがあこがれの的で、オーディオ雑誌が様々なメーカーのオーディオ装置の視聴記事を掲載し、コンポーネントを紹介していた。

少しでも豊かな音場(懐かしい表現だなぁ)を作るためセッティングのノウハウを伝授するマニアが居たのである。

昔の家はかなり安普請で木造ばかりだった。重量鉄骨やコンクリート住宅はあまりなかった。木造住宅で豊かな音を出すのはそれなりに工夫が必要だったのだ。

 

話しをM3に戻す。BMWグループは2014年に年間200万台を生産する量産メーカーだが、エンジンの出来の良さは圧倒的だと思う。

かつて乗っていたMモデルでもないふつうの2.5L直列6気筒エンジンでもはすばらしかった。

微妙な振動と軽すぎず、そしてけして重くない吹け上がり。エンジン音も排気音はアイドリングの低いうなりから回転が上がるに応じてきれいに変化する。特に2500回転くらいから4000回転に上昇する時に吸気音は心地いい。しかもけしてうるさすぎない。(特に最近の排気音は演出過剰でうるさいと思う)

当時の日本のエンジンでスポーティと言われているのはただ回転の上がりが軽い、8000回転までひとっ飛びみたいな4気筒バイクのようなエンジンだった。BMWを知った時、「こっちの方がずっと心地いいエンジンだ」と思った。

BMWはエンジンが回るとか、タイヤが路面を踏むとか、コーナーでロールするとか、クルマが動くおもしろさアピールすることに努力しているのがわかる。

 

単に移動の為の道具ならば生産コストを安く押さえられる新興国で生産する方がよい。機械的な問題が発生しない限度まで精度を緩くし、歩留まりを向上させる方が安価で大量に生産できる。

かつて経済アナリストは、米国はGM、フォード、欧州はVWとルノー、日本はトヨタと日産。世界の自動車メーカーは6社に集約されるべきと分析した。

この手の自動車メーカー大集約説は40年前からある。

その地域の人口と経済状況から鑑みた自動車の需要と供給の分析から考えられた理論だった。

しかし実際にはほとんどの自動車メーカーが生き残っている。

クルマはちょっと興味を持って接すれば車種ごとに多くのちがいを感じる事が出来る。

これは自動車メーカーが家電品や一般耐久商材メーカーよりも多大な努力を行っている証だ。

自動車メーカーはしぶとく「自動車の面白さ」を表現し続け、ユーザーはその、ほんのちょっとのちがいに数十万、数百万円のお金を払っている。

米国2社、欧州2社、日本2社が実現することはこれからもないのではないか。