「 BMW i8とBMW M1 」
このあいだ街でBMW i8を見かけた。一瞬で通り過ぎてしまった。
「あれがi8か…」
…んで家に帰ってウェブであらためてi8を見る。リアのバンパーのアクセントカラーによっては多少しデザインしすぎのような気がするがそれ以外はとても良い。名車M1を思い出させる。
う〜んM1ね…。なつかしい。
BMW M1、当時BMWといえば四角い2ドアセダンスタイル(マルティーニカラーの2002ターボとか)のイメージがつよくてミッドシップカーを作るとは意外だった。
BMW M1を見たときはフェラーリやランボルギーニと同じスーパーカーだと思った。ただ、それほど強い個性というか、押し付けがましさは感じなかった。
「スーパーカーじゃなさそうだ」、とすぐに気がついた。
当時まだ小学生だったがそれを感じることができた。デザインというのは言葉の説明よりもよほど伝わりやすいものらしい。
BMW M1やロータスエスプリはジウジア−ロのデザインでフェラーリのような曲面を使わないデザインだった。
まだ小学生だった自分は、
「308GTB、365GT4BBに比べてカウンタックやエスプリはカクカクしたデザインだ」、
くらいの認識しかなかった。
M1のリアウィンドウの黒いルーバーや二つあるエンブレムが目を引いた。
「うしろの窓の黒いのはギャランGTOのマネだな」、
国産車のことしかしらない鼻タレ小僧のわたしはM1の黒いルーバーを見てそんなふうに思った。
当時の国産車の2ドアクーペ、日産チェリーやギャランGTO、セリカリフトバックなどは黒いルーバーを付けるのが流行っていた。
それを見てBMWが真似たと思ったのだ。
当時は外国車の情報より国産車の情報が主だった。子供である自分は一年に一度発売される、「世界のクルマ」(たしかこんな風なタイトルの雑誌だった)から情報を得るしかなかったのだ。
わたしは子供の頃、乗り物酔いがひどかった。クルマが好きなくせにこっけいだがクルマに乗せられると数十分で気持ちが悪くなってしまった。
母は車酔いを理由に学校の遠足を不参加にした。バスに酔うからだ。
遠足に行けない息子を不憫に思ったのか母は遠足の日、学校を休むわたしを朝、本屋に連れていき好きな本を一冊選ばせた。わたしは必ずクルマの写真がたくさん載った本を選んだ。
たいていそれが、「世界のクルマ」とか「自動車年鑑」といった本だった。
この本を毎日なめ回すように見る。ほとんど記憶するくらいに読む。
BMW M1もそうした本に掲載されていた一台だった。写真は赤い車体色だったと記憶している。未来的なディッシュホイールをはいていた。
M1はレース参加のためのホモロゲーション用車両だと書かれていた(実際ホモロゲーションという言葉で書かれていたか記憶が定かでない)。
当時、グループ4、5に参加する車両としてポルシェ934や935、ランチアストラトスが取り上げられていた。