フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「営業車から見たもの」

営業車を運転していていろんなものを見た。

交通事故を目撃する事も多い。

高速道路で暴走ドライバーが他車を巻き込んで大破する瞬間も見たし、裏返しになったクルマから這い出してくるドライバーを助けた事もある。 事故車の中で出血してぐったりしている若い女の子を介抱した事もある。頭に強い衝撃を受けたようで、黒い長い髪から血がしたたっている。脈をとりながら話しかけたが返事がない。目が見えなくなっている。綺麗に化粧した顔に血が流れておちる。血が目に入るから閉じるように言っても耳が聞こえないらしい。救急車に乗せたがその後どうなったかはわからない。

クルマが炎上しているのも見た。

火が出てから燃え尽きて車体の骨格だけになるまで20分しかかからなかった。消防車が来たが車内に誰もいないと知ると申し訳程度に消化器を一本使っただけで後は燃えるに任せていた。途中で消してもクルマとして使い物にならないのがわかっているのだろう。クルマはすぐ撤去されたが焼けたアスファルトはしばらくそのままになっていた。

悲惨な死亡事故も見た。

大型トラックの下に巻き込まれた人と自転車が見える。自転車は折りたたみ式のように折れ曲がっている。多量の液体がそのあたりから流れ出しているが、アスファルトで黒い色にしか見えない。トラックの車体から流れ出したオイルか、自転車のカゴに積まれた食品か液体から流れた物だろうと思った。赤く見えないから血液だと思わないようにした。手や指だけが自然な形だった。その手首だけ陽が当たり白く見えた。

警察の大捕り物も見た。

首都高速をクラクションを鳴らしながら追い越していくクルマがいた。クラクションだけではない、2車線の首都高速の真ん中を蛇行したり幅寄せしたりして抜いていく。追いかけるパトカーが3、4台、上空には低空で飛ぶ警察のヘリコプターの音が聞こえた。5分くらいしたら案の定、渋滞し始めた。事故を起こして捕まったのが見えた。帰宅するとTVニュースで流れていた。

取締りにあったこともたびたびだ。

一週間に2回、取締りで捕まったこともある。明らかに待ち伏せ取締りだ。

「この場所が違反をしやすい場所だとわかった上で取り締まっているのか?」

「そのような事はありません」

「だってもう一人のあの警官は次の違反車が来るのを見張っているじゃないか?」

しばらくゴネた。言いたいことは言ったのでサインした。

東名に新しい覆面が出てる、あのスピード取締り機は動作してないらしい、取締りに関するホントともウソともつかない情報交換を営業マン同士でする。 違反をしても会社は関知しない。営業運転中の反則金を補填する会社があると雑誌で読んだ、 「うちの会社は無理だろうな」、誰も会社に掛け合わなかった。

駐車違反も何度かやってしまった。今は駐車監視員が摘発しているが、むかしは駐車違反の摘発は頻度が低く違反の摘発は運の善し悪しみたいなものだった。時間貸し駐車場も都心以外はまずなかった。今は時間貸し駐車場に停めるように会社から推奨されているが、当時は会社から、

「先方(得意先の)駐車場にただで停めさせてもらえ」、

と言われたのだ。

 

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