「F12 7000回転 フェラーリサウンド」
前回、オートバイの改造マフラーの爆音に多くの人が苛立ちや(場合によっては殺意を)いだくだろうと書いた。
好きな音楽を大音量で流す、本人はいい気分でもまわりにとっては良い音楽どころか騒音でしかない。これが現実。
フェラーリだって外に響く音量が大きいのは良いことではない。違法改造バイクだろうがフェラーリだろうが、それは同じ。
そもそも、「フェラーリサウンド」などと言っても、それは一部のマニアの自己満足でしかなく、はたから見れば迷惑で気持ちの悪いものだ。
…でF12の音について。
アイドリングから4500までは「ボー」、という野太い音がする。停止状態から微速はこの「ボー」、が車室内にこもるように響く。渋滞だと鼓膜が圧迫されて苦痛になる。 10km/h位クルマが動き出してしまうとこもり音は感じなくなる。
変速をオートマチックにしておけば街中も高速も多少早くスロットルを開けたくらいで4500を超えることはないから、同モードにしている限りF12は動き出してしまえば静かなクルマ、ということになる。いや、静かという表現はやめよう。絶対的に言えばうるさい。つねに「ボー」、という音はしつづけるのだ。
…で4500を超えたところからある種の「モゥーン」という別種の音が混じり始め、6000手前くらいから俄然、音量が上がり、「バー」、という音に変わる。
実をいうとこの「バー」という音、文字面も単純な「バ」だが、実際の音もなんの含みも奥行きもない「バー」なのだ。「モゥーン」の方がよほど複雑で奥行きがある。
6000から上はずっとこの「バー」だ。変わらない。音量が上がっていくだけ。
「バババババババ」
「バー」はないよねぇと思う。
なんて単純。奥行きも深みもあったものではない。
7000も「バー」である。変わらない。音量が高くなるだけ。
7000では普通の話し声では聞きとりにくくなる。 これから先、8000回転も残っているが変わるのだろうか、変わらずさらに音量が増すだけなのだろうか。
むしろ4500から6000超えの過程の方が聞き応えがある。
ゆっくり回転を上げていくと「モゥーン」、だが、早く開けていくと「ゴォワー」、とも「クゥオー」、とも聞こえる音になる。この変化はちょっとおもしろい。今のところ高回転で固定するよりも中間回転の変化の方がおもしろい。
このまえ地下駐車場を走っている時、ウィンドウを開けていたら音の印象が変わった。
あまり感心しないボーッというドスの利いた音が外では、
「クォ〜」、
とすこしクリアな音になっていたのだ。
ドライバーより歩行者の方に良い音に聞かせているということか。
今のところF12の音の良さは4000後半から6000の変化する領域にあると思っている。この回転域1速ならば50キロ手前から楽しめる。しかし1速はトルク変動も大きいので快適性に欠ける。2速の方が快適に楽しめる。
一方でF12の音などにこだわらず、ただそのパワーを利していくだけならオートマチックモードで充分、事足りる。 いつもよりちょっと早くアクセルを開けるだけで速度はみるみるうちにあがり、ついて来られるクルマはほとんどない。
実際に運転しているとこちらの方が楽だ。F12がエンジンうならせて走っている時、ドライバーは快適ではなく無理して走らせているのだと思ったほうが良いかもしれない。
automotive-blog.hatenablog.com