フェラーリを注文するの巻 その2 「色とオプションは」
ディーラーに注文に行く日がきた。
車体色はタテ40cmヨコ20cmの鋼板に塗装された色見本で検討する。鋼板は屈曲しているので色の陰影がわかるようになっている。ディーラーの実車があればその車体色は参考になる。やはり実車の大きさで見るのと色見本とでは印象が異なる。
ディーラーにはコンフィギュレータという例のシミュレーションソフトが大画面で見られるようになっている。日時を指定されたのはこの大型画面のスケジュールによってなのかも知れない。
このコンフィギュレータは微妙な色合いや表面の質感はわからない。
車体色は3色をあらかじめ候補にしていた。車体色2色のつもりだったが1色候補が増えてしまった。この車体色3色中2色は標準色、1色はオプションの色だった。
冒頭からちょっとつまずく。このオプションの車体色は110万円のオプションかと思っていたがセールスマン氏は、
「これは『フェラーリヒストリカルカラー』とは違う色設定のオプションなので価格は時価です。問い合わせないとわかりません」、という。
え〜っ。
フェラーリF12の車体色は標準が16色。フェラーリヒストリカルカラー10色は約110万円、それ以外のオプション27色は時価だそうな。
時価。怖い言葉だ。
セールスマン氏は、「経験から言うとおそらく150〜220万円の間くらいだと思います」
と、言う。そもそも110万円の時点で候補としては弱かったのだが更に高価になる、というなら外すしかない。他につけるオプションを削るほどの魅力には欠けるのだ。
車体色の候補は2色になった。それぞれの車体色に内装色2色を選んでいる。合計4タイプの組み合わせをセールスマン氏に説明したが、「どれも良い組み合わせだと思います」、という。
セールスマン氏の口ぶりから私の選んだ組み合わせはよく見る例だと思われているようだ。ちなみに海外。北米でよく見る組み合わせだと言う。日本でもよく見ます、と言われるより良いかも知れない。
この4つの組み合わせの中から2つに絞り込んで他のオプションの選択を行う。
そして最後に2つの組み合わせに中でどちらかに決定するつもりだ。
ブレーキシャリパーの色は外観のアクセントになっている。ブレーキシャリパーの色は7色用意されていて標準はつや消し黒。オプションで光沢黒、シルバー、アルミ色、イエロー、明るい赤ロッソコルサ、普通の赤ロッソスクーデリア。イエローか赤2種は目立たせる目的の色だろう。
これは外観のイメージがあればそれに沿った色に決まる。
あらかじめのイメージがあれば自ずから決まってくる色やオプションがある一方で、革を使う部位を増やしたり、革をアルカンターラにしたり、ステッチの色を微妙に買えたりするのは買う人のこだわりとセンスが現れるところだろう。
たとえば天井やピラー、ウインドウ周りをカラー革にしたり、ヘッドレストの跳ね馬のエンボスを刺繍にしたり、革の縫製糸の色を変えたりするのは、外からはあまり見えないのでオーナーのセンスが現れるところだ。(わたしは自分のセンスにはまったく自信がないのだけれど…)