フェラーリのブログ

フェラーリに関わった顛末

「中国くるま事情ふたたび 中国のクラクション」

前回のつづき、中国の交通事情。

中国に行き始めた頃はとんでもない交通事情に肝を冷やした。

なぜこんなに危険な運転をするのだ、と不思議だった。

しかし、自分が雇ったドライバーも同じような運転をする。

さすがに客を乗せては危険な信号無視はしない。しかしクルマが来ないことを確かめた上での信号無視はする。逆走も平気でやる。

ちなみに逆走されても相手はそれほど怒らない。

なぜなら次の交差点では自分も逆走するからだ。お互い無言でぶつかるギリギリのところをゆっくりすれ違って行く。

いたるところで逆走車が糞詰まりを起こしている。(内心、信号守って走った方が早いんじゃないかと思う)

片側2車線の道路が渋滞すると対向車線にはみ出て3車線になる。対向車線のクルマもだまって1車線を明け渡すような事はない。2車線のままで走ってくる。片側2車線、計4車線の道は5車線、6車線になって麻痺する。麻痺してもやめない。そのうち歩道に片輪をのせて走ったりする。バスだって乗客を乗せて同じ事をする。

交差点で右折待ちのクルマがいる。同じように右折するクルマは前の右折車の後ろに並ばない。右折車の前に回り込んで右折しようとする。三台目の右折車がさらにその横に並んで頭を出そうとする。かくして右折2車線、右折3車線の出来上がり。そんなに大きな交差点じゃないんだが…。

「なんでそんな事をする?順序よく発進して何秒遅れるというのだ?」、

と思う。

 

しかし、こうした中国に慣れて日本に帰ると禁欲的なまでに行儀よく走る日本のドライバーは、多少中国を見習っても良いのではないか、と思い始める。

夜まったくクルマが来ないとわかっている赤信号で停車する時、

「ゆっくり確認しながら通過するならいいじゃないか」

と思う。すくなくとも黄色の点滅信号にしてドライバーの安全確認にゆだねたらどおかと思うし、明らかに遅く走っているクルマがいたらクラクションをならしても良いのではないか、と思う。

一緒に中国で仕事をしている日本人の仲間も同じ意見だ。

ただ日本ではクラクションは侮辱の意味もあるからトラブルの元になる。中国ではクラクションは、「オレはここを走っているぞ、気をつけろ!」

という意味で、相手を威嚇したり馬鹿にしたりする意味は込められていない。クラクション本来の意味から言えば中国の方が正しいと思う。

 

中国の交通事情に慣れた頃、北京オリンピックが行われた。

中国のテレビで、

「中国のドライバーの信号無視やルール違反は世界的な恥だ」、

と、取り上げられていた。

この北京オリンピックを境に信号無視や逆走が少なくなった。

ただ、歩行者のマナーはあまり変わっていない。

 

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