フェラーリ試乗させてくださいの巻8「フェラーリ注文するなら◯◯◯万円」
フェラーリディーラーにはフェラーリのウェブサイト カーコンフィギュレータを大型ディスプレイに映して操作するスペースがあり、シートやステアリング、ブレーキキャリパー、ホイールなど代表的なオプションの実物も展示されている。(ただ全部の実物が揃っているわけではない)
ボディー色やレザー類の色は見本帳があるのでそれなりに実感がわく。ただ、小さな色見本だけでは判断が難しい。
選択肢が広いとあれやこれやみんないじってみたくなるが、チンドン屋のようになってしまう場合がある。このあたりは経験のあるセールスマンの意見を聞きながら選んだ方が良いと思う。
今日は試乗だけで、注文するつもりはない。オプションの説明もあらかた聞いたので、これから購入するか否かも含めてゆっくり考えるとセールスマン氏に伝える。
「購入するか否かは、これからしばらく考えてから決定するけど、購入するとしたらどうすれば良いの?」と聞くと、セールスマン氏は、
「注文するなら◯◯◯万円の前払い金をお振り込みください」
別に驚かなかったがやっぱりそんな(大きな)金額を前払いするのかと思う。
今、「前払い金」と書いたけれど、ちょっと記憶が曖昧だ。セールスマン氏は「予約金」とか「生産枠を確保するためのお金」と言っていたかも知れない。言われた瞬間にわたしの頭の中で「前払い金だな」と思い込んでしまった可能性がある。この「前払い金」という言葉にはこだわらないでください。
いずれにしても◯◯◯万円(三けたの万円です。日本の高級車が一発で買えちゃう金額)を払わないと注文を受け付けてくれないのです。(当たり前だがこの◯◯◯万円は最終支払い価格に充当され、納車時の最終支払い額はこの前払金を差し引いた金額を払えばいい)
これは他の高価格輸入車ディーラーでも言われたことがある。別におかしなことではない。ディーラーにしてみたら、
「総額4000万円になるフェラーリを注文するんだから今、◯◯◯万円くらい払えないわけないでしょう。払えないなら買えないと思ってもおかしくないですよね」、と言う事なのだろう。
おっしゃる通り、正論です。
この前払い金◯◯◯万円を支払う事で注文がスタートする。実はオプションを決定するよりもこの◯◯◯万円を支払う方が先なのだ。ディーラーとしても前払い金をもらわなければ車体色やオプションの希望を言われても動きようがないのだ。
この前払金を受け取ってディーラーはフェラーリの本社に注文を受けた事を連絡をする。連絡を受けたフェラーリはその時の生産スケジュールを見て、「その注文の車両は何年何月の生産枠に入れる」と回答してくるそうだ。
ちなみにフェラーリは注文が多いからといっておいそれと生産を増やしたりしないそうだ。残業したり休出して生産することはない。大量生産車メーカーとはそもそも考え方が違うのだ。
「有名なフェラーリコレクターとかは扱いが違うんじゃないの?」とセールスマン氏に聞いたら、
「あるかも知れませんが、実際にはわかりません」
セールスマン氏から前払い金の振り込み口座が書かれた紙を渡される。
フェラーリ、ご立派な商いです。慶賀の至り。